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◆基本情報
◆サスペンド

◆カラー




アトム / リップレスクランクベイト






浮かせないためのサスペンド

サスペンドと言うとミノーやシャッドが思い浮かびますが、こういったルアーは「ルアーを止めること」が目的とされます。
それに対してアトムは「ルアーを浮かせないこと/一定の水深で泳がせる事」を目的にサスペンド仕様となりました。

当初、アトムはフローティングタイプでテストをしていました。
2010年の初夏の話です。
アトムはロッドワークに対するレスポンスが良いので、少し潜らせてトゥイッチするとパタパタッとキレの良いヒラウチを見せます。
アクションを加えても移動距離が短く、水面で虫系ルアーのような使い方をするのも効果的でした。
こういった使い方と、ただ巻きを組み合わせることで、大から小までたくさんの魚に出会えました。

が、しかし。
「どうしてもアトムを投げたくなる」と言うような際立った釣れ方は体験できなかったんです。
魚が釣れても、他のスモールクランクベイトで代用が効いてしまうんじゃないか、という一抹の疑念がどうしても拭えませんでした。

季節は流れて秋になりました。
8月の終わりにキングマーマーダイヴで目の醒めるような釣れっぷりを体験した私は、様々なタイプのキングマーマーを作ることに熱中しました。
その中の一つであるキングマーマーの亜種(通称スウィング)は、キングマーマーのリトリーブスピードを落とすこと、つまり「ゆっくり巻けるキングマーマー」を目指して作りました。
この亜種は、結果的に50センチオーバーのバスを連れてきてくれるのですが、同時に、アトムの方向性にも影響を与えました。

ゆっくり巻けるアトム。
これこそが、ここでご紹介しているモデルのコンセプトです。

小さいルアーをゆっくり巻くためには、ルアーの巻き抵抗を強くする必要があります。
大きいルアー、例えばビッグベイトであれば、水の抵抗が掛かりやすいので巻き抵抗が弱くても、ルアーが大きく移動する事はありません。
しかしルアーが小さいと、ラインの重さだけで手前に進んでしまいます。
これをできるだけ抑えるために、アトムは巻き抵抗を強く、つまりトルクの強いアクションにセッティングしました。

ゆっくり巻くためにもう一つ重要なのが「浮力を落とす事」です。
フローティングのルアーは、巻かなければ浮かんでしまいます。
シンキングのルアーは、巻かなければ沈んでしまいます。
サスペンドルアーの特徴は「早く巻いてもゆっくり巻いても、ルアーがスイムレンジをキープする」という事です。

水深50センチを泳ぐシャロークランクはたくさんありますが、その大半は浮力を持っているために、スイムレンジをキープするにはある程度のスピードを必要とします。
今思えば、開発当初のフローティングのアトムは、ここに埋没してしまう存在でした。

サスペンドシャッドを止めて誘うほどスローではなく、シャロークランクほど早くもない。
水温が10度から15度くらいのあいだでは、このスピード感が一つのキーになります。

水深1メートル以浅をゆっくり、しかし広範囲に狙いたい時こそ、アトムのサスペンドという特徴と、トルクの強いロールアクションが生きてきます。




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