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アシッドポップス goow [unfinished]

goowの小話
そもそもなぜ作り直したのか
クランカーという雑誌に面白い記事があります。
リーシッソンがインタビューの中で、「バグリー在籍時に、ルアーをチューニングしなくても、パッケージから出してすぐに使える状態を目指していた。 そしてそれを97%は達成していた。 でもなかなか上手くいかないルアーもあった。」(125ページ)という旨の話をしていますが、これはルアーそのものを読み解く上での重要なキーになります。 例えばプラスチック製のルアーのなかにも、右にそれたり左にそれたりと泳ぎが安定しないモノがあります。 これは生産時のバラツキというよりも、そもそものセッティング(デザイン)の段階でこの点を重要ではないと判断していることに由来すると考えられます。 ウッド製のルアーの場合、素材や生産時のバラツキを補う上で大元のセッティングを煮詰めることがとても大事になってくるため、先のリーシッソンのような言葉が出てくるのだと思います。
今回のブラッシュアップは、そういった面を洗練させていくと同時に、アクションや回避性といった機能面を見直すために行いました。
名前の話 (unfinished/未完の)
やっとリリースしたと思ったら「未完のgoow」。
なにもケンカを売ろうと言う訳ではありません。
六度九分では1回のロットを作り終えるたびに、次はもっと出来の良いものをと、あれこれルアーに手を加えます。 別の言い方をすれば、製作のたびに自分の中の良いルアーが更新されていく訳です。 でも、それでは過去に作ったモノの立場はどこにあるでしょうか。 ルアーと作り手との距離が近い場合、あまりに手を加えやすいがためにこういうジレンマを抱えてしまいます。
作ることを止めない限り変わり続ける。
言わばこのどうしようもない、当たり前のことが年を経てやっと分かるようになり、それを受け容れた記念碑的意味合いで
goow [unfinished]と名付けました。
その変化が目に見えても見えなくても、goowは変わり続けます。
出番はいつなのか
小型で1m以上潜るクランクベイトは、私が言うまでもなく一年中釣れます。 それを踏まえた上で、goowの出番が多いシーズンは低水温期になります。
まずは小型という特徴。 大きく口を開けたがらない寒バスには、一口サイズが手堅い選択になります。 またフラットサイドという形状も、フラッシングという観点から(メタルジグや鉄板系のリアクション的な要素)、低水温期に安定していると言えます。
もう一点、前傾という特徴はレンジキープ力に一役買っています。
ある程度の浮力を持っていても、スローリトリーブ時に浮き上がり辛くなる前傾の特性は、タイトにカバーを狙いたい冬季に適した要素になります。
例えば狙いが絞りきれない皿池や、ダラダラと続くリップラップ。
サスペンドルアーよりも展開が早く、バイブレーションよりもカバーに強いルアーと考えれば、自ずと使うタイミングが見えてくるのではないでしょうか。
何より大事なことは、自分の狙っているバスの状態から逆算してルアーを選択する事です。
ここに挙がっている情報と実際に使ってみた感覚から、自分の釣り場ではどういう状況に効果的なのか、ご自身で考えて組み立てていけば、低水温期以外の出番も見えてくるはずです。
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