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展示概要  


 今回の個展を開くにあたって、たくさんの人にこう聞かれました。
「ルアーの個展って何をやるんですか?」

心の中ではこう答えました。
「そんなの私にもよく分かりません。」
なぜなら、ルアービルダーが個展を開くケースはまだほとんど見られないからです。

しかしそれはとてもありがたい事です。
何がありがたいかというと、フォーマットが定まっていない事が、です。

 
たとえば釣りのDVDを作ろうと思ったら、道具の説明だとか、釣れない状況からのドラマチックなビッグフィッシュという展開であるとか、ある程度のレールが出来上がっています。
そこから外れたもの、新しいものを作ろうとしても、そのレールから逃れることは難しい。
そのレールを基点に物事を考えてしまう。

個展というフォーマットにおけるルアーの見せ方は、まだまるで定まっていません。
言わばやりたい放題なのです。
わざわざ手作りなんかしてるんだから、ほら、思いの丈がある訳ですよ。
それをどうやって届けるか
 
  
ルアーの動きを見せたり、説得力を持たせるなら動画にはかなわない。
どういう考えで一日釣りをしていたのか、それを説明するならヴィジュアルと言葉に強い雑誌でしょう。
いちメーカーとしての姿勢や雰囲気、リアルタイムの情報を伝えたいならウェブを使います。

しかし、私にはルアーがそこに止まるものだとはとうてい思えません。
ルアーは私達がまだよく知らないものを含んでいる。
形を与えられていない何かが。
 
 
なぜそう思うのかというと、ルアーは道具でありながら、釣れるだけでは選ばれないという事実にいつも悩まされるからです。

そういう前史を踏まえ、2011年の5月に会場を決めてから、展示方法についてゆっくり煮詰めてきました。

千点を超える習作や、新しい技法を用いた小魚を模した色のルアー。
それらにまつわる大量の解説文などを一堂に展示する予定です。

販売もあります。
ルアーは、2004年から今までに作った物を一通りご用意いたします。
一部ご好評を頂いているチョーカーも、展示販売いたします。


ルアーの、釣りの新しい一面が見られますように。
 
 

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